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全霊

最初に言うと、タイトルに追いついていない。だから、悪いとは思っているってことだけ伝えたておく。

さて、ぼくはあれだ。女神ちゃんが好きだ。それだけで生きていられる。
だから、風変わりなおじさんだという認識で間違っていない。

ただ、もう一度言うけれど、それだけで生きていられる。

この心強さが分かるだろうか?

それはもしかしたら、親が子を想う気持ちと同じなのかも知れない。
ぼくにも息子が2人いるから、親が子を想う気持ちはわりかし分かっているつもりだけど、男女の差はあるような気もしているし、離婚して会えてもいない現状では、女神ちゃんを想う気持ちと一緒ではないと思っている。

ただ、男にとっては妻も子どもも同じく守るべき存在だ。

それは間違っていないだろう。守られたくないなんて女性も昨今ではいるみたいだけど、それは現代社会だからそう言える風潮があるのであって、生物としては概ね男が女を守っているように思えるので、ぼくはそれが生物としての本能だと考えている。

父が早くに逝去したからとか、早々に離婚したから、女手一つでなんてことはあるだろうから、男が守らなければ成立しないなんてことはないんだけど、男の存在意義は「守る」ことにあるんだとは考えている。

物議を醸したいわけじゃない。ただ、本能的にそうなんだろうってことだ。

もっと言えば、ぼくは子孫を残した時点で、役目ってのは終わりだと考えている。それ以降はオマケみたいなもんだ。

だいたい、現代人や日本人の寿命が長いだけで、人間の寿命なんて50年でも長いくらいだと言われる所以は、生物的に見るなら正しいと思っている。だから、41歳になろうかというぼくも、そろそろ余命を生きていくことになるわけだ。まぁ、50歳まで生きられたらの話だけど。

と、前置きが長くなったけれど、冒頭の話に戻る。

ぼくは女神ちゃんが好きということが原動力で生きている。

正直な話、それ以外はどうでもいいとさえ思える。承認欲求とか、顕示欲とか、どうでもいい。

実際には持つ合わせてるし、全然出していくけど、それが女神ちゃんに嫌われる理由になってるなら、本当はいらない。

だけど、生きていくためには社会にいる必要があるから、そういった俗的な欲望を捨てることはできない。本当はいらないけどね。

そして、きっとそういった俗的な欲求を捨てたら、女神ちゃんも離れるだろうとも思っている。

なぜなら、それが人間だからだ。

俗的な要素が一切ない人間は、もう人間ではない。ひとつ上の存在だ。そんな存在に対しては「尊敬」か「崇拝」という感情しか抱けない。

だから、割とぼくはぼくが好きだ。

欲求がいらないぼくと、持ってるぼくに悩むぼくが好きだ。

人は、いつも理想の自分を追い求めているし、そうなりたいと努力をすることはステキなんだけど、ぼくは「肯定」している人に魅力を感じる。

今の自分が一番好きってやつは、胡散臭いけど、それができる度量はスゴい。

理想もあっていいし、努力もしていいけど、とにかくそこに向かってる自分さえも好きでいられるって素晴らしくないだろうか?

ぼくは理想がない。努力も特にしていない。だけど、自分が好きだ。常に今の自分が好きではある。

だけど、虚無感があるのは、理想がないからだろう。

こういう自分になりたい!なんてのがない。

ただ、幸いなことに「女神ちゃんが好き」という一点だけは普遍だから、その自分でいられていることが理想なんだと思う。

つまり、理想の自分が変わらずにいられることが理想なわけだ。

ぼくが虚無感があると言ったのは、高めようと努力している人に対してなんだと思う。そういう時期はあったけど、結局、生物としてそういう時期は過ぎ去っている。だったら、今の自分が愛すべき人のためにどこまでその人のための自分でいられるか?に集中すべきなんだろうなと思う。

誰かに助けてほしいとか、どうにかしてほしいとか、時代とか社会とか情勢とかほんとどうでもいいことに気を取られがちだ。ぼくも含めてね。

だけど、本当に求道すべきは「人としての美しさ」なんじゃなかろうかと、これは心のどこかでこれまでの一生思い続けていることだ。

人としての美しさってどこにあるのか?

それは、自分を愛することではない。

全身全霊でたった1人の他人を愛し貫くことだろう。ぼくはまだ貫き通せてないから、ぼくの美学的には、まだまだ理想を追い求められる。もっと、とことん、愛のために生き、考え、行動できる自分でいたい。

だから、愛ベースで考えられない人たちが、自分のことばかり愛しているのにそれに気づかない人が気付かぬままに吠えてることに、そんな自分を正当化していることに、心が痛むこともある。

愛ってのは、他者に向けてはじめて自分も愛せるんじゃないのか?

ぼくは他者を愛せないときには、自分を愛することもできなかったんだが…

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