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生きて償う

ボクは逃げることが好きだ。

逃げる方が楽だし、逃げれば嫌なことを忘れられる。

だから、ボクは逃げてばかりいる。

そして、挙句の果てに自分の命からも逃げようとした。

何もかもが嫌になった。

そのくせに、結局生きることから逃げられなかった。

本当は逃げたくなかったと思いたいが、そうでもなかった。

あの時のボクには、生きていることが辛かった。

仕事が辛かった。

家事が辛かった。

育児が辛かった。

趣味も辛かった。

毎日が辛かった。

何より、ボクがボクであることが辛かった。

ボクでない何かになりたかった。

だから、逃げ出した。

誰もボクを知らない場所へ行きたかった。

そこで野垂れ死んでも構わないと思っていた。

だけど、やっぱり生きることから逃げられなかった。

ボクを逃してはくれなかった。

みんなしてボクを辛い道へ引き戻した。

みんなが生きろと言った。

自ら命を絶つ勇気などボクにあるはずはない。

ボクはただ逃げたかっただけだ。

生きることから逃げたかっただけだ。

だけど、それは違った。

ボクが逃げたかったのは、生きることじゃない。

だから命を絶つなんてことができなかった。

ボクは誰よりも生に執着したから、逃げた。

自分が本当に壊れる前に逃げた。

そして、リセットしたかった。

どこか誰もボクを知らない場所で、ボクはリセットしたかった。

今、それが叶っている。

だけど、ボクはその事実から逃げようとしていた。

自分の意思で、やっとたどり着いたはずの場所でも、ボクは逃げることを忘れていなかった。

なぜボクは逃げるのか?

答えは分かっている。

ボクは、このブログで多くの偽りの自分を知った。

そして、その自分を認めてきた。

許しもしてきた。

本当の自分も知った。

そして、その自分であろうとしてきた。

だけど、ボクは1つだけ、ずっと逃げ続けていることがある。

このブログで見つけてきた39年間のボクに対して逃げいることがある。

本当の自分であろうとすることは良い。

その自分で生きることも良い。

だけど、ボクには39年間生きてきたボクに対して、やらなければいけないことがある。

それは、ボク自身が培ってきた嘘偽りの自分への償いだ。

その償いは、今のボクにしかできない。

許すだけでは意味がない。

ボクへの償いをしなければ、ボクは来た道を本当の自分でも戻ることになる。

前へ進まなければ、39年間の償いはできない。

ボクは自分への償いからいつも逃げいていた。

立ち向かえ。

乗り越えろ。

逃げることは、今ここで終わった。

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