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ボクと女神ちゃんの珍道中:伍

いよいよ、最終日。前夜と朝の絡みに関しては、外伝に書いているので、興味津々なあなたは、ぜひ有料会員登録を。では、最終日こそが珍道中なので、一気呵成に書いていこう♪

朝から雨だったんだけど、チェックアウトの時間が近づく頃には、雨がやんだ。これも運命ってやつだね。

この日の予定は、伊勢神宮に行くだけ。それ以外は決まっていない。

カートでお迎えに来てもらって、部屋を後にする。部屋のお礼も忘れずにね。ほんと、いいところでした。

手続きを済ませるためにフロントへ行けば、同じくチェックアウトの先客が横に座っていた。ヴィトンのトレーナーにヴィトンのバッグ、、、これみよがし。これは、、、不倫か?みたいな雰囲気漂う感があったな。

まぁ、それを言えばボクらの関係はもっと推測し難いと思うのだけれど、、、(笑)

見た目派手な二人やし、名字違うし、仲は良さそうやのに、互いに敬語やし(笑)

でも、敬語なのは、お互いに尊重しあってるってことの証みたいなもんで、一から十まで敬語でもない。確かに、ボクはフラレて、今の関係は元カノ元カレみたいな感じではあるけれど、お互いに愛もあるし、求めてもいる。むしろ、付き合ってた頃よりも関係性は深い。でも敬語みたいな。

だから、「この二人は一体、、、?」と色々と想像が捗ると思う。むしろ、捗らせたい。

そんなこんなで、バイバイアマネムをした。ここのスタッフって、出勤前でも出勤後でも、私服にも関わらず、お客さまを見送る時には、ちゃんと笑顔で立ち止まって見送ってくれたり、手を振ってくれることには、ただただ感心した。さすが高級リゾート。ただ、学生時代の野球部を彷彿とさせたことは黙っておくか。

不思議と、名残惜しさはなかったな。まぁ、どうせまた来ればいいし、また来るとしみたいな感覚だった。

アマネムを後にして、いざ伊勢神宮へ。

その道中から、また雨が降り出した。結局、タイミングに恵まれてしまうだけの話やね。

伊勢に向かう途中で、気になる看板が目に入った。「天の岩戸」。

ほぅ。伊勢神宮に向かう道中に天の岩戸ね。これって結構どこにでもあるけれど、お伊勢さんのお膝元にもあったのか。と、思いながら、そんな会話もしながら、車を進める。

すると、目の前に天の岩戸への入り口が。。。一瞬通り過ぎた時に、「行ってみますか?」と女神ちゃんに聞いてみた。行きたいとか思ったわけではなくて、思わず口にでた感じ。

女神ちゃんも「行ってみたいです」と言ったので、では行きましょう。的な。そう、伊勢神宮に行くことは決定事項ではなくて、単なる予定。予定は未定であって決定ではないのだよ、諸君。これ結構人生においては大事。

ということで、予定は変更されて、とりあえず天の岩戸へ行くことにした。

鳥居をくぐり抜けて、2㎞だったか1.2㎞だったかの道のりを進むと、車とは言え、なんとも荘厳な雰囲気を感じる森の中に入った。しばし進むと、駐車場があり、そこから先は徒歩でしか進めない。ほんとに森の中。

雨が降ることを危惧したボクが、傘を手にすると「傘はいらない」と一蹴された(笑)

まぁ、別に濡れても困らんしなぁと傘を車に置いて、いざ天の岩戸へGO〜♪

天の岩戸までの道のりは少し長そうだけど、清流の流れる横を深い森の中へと歩くのは、荘厳で神々しさを感じる。否応にも期待も高まる。

そこに、導くかのように現れたサワガニ。これまで見たことがなかったんだけど、この辺りのカニが鮮やかな紅色をしていることに驚いた。この後、何匹も見かけたんだけど、全部こんなに鮮やかな紅色をしていた。

おい、隙間から覗くなよ(笑)触ろうとしたら挟むんやろ、、、ツンデレかよ!!?

これ、面白いことに、道中にカニは何匹も足元にいて、ボクは生き物が好きやからなのか、めっちゃ見つけるのに、女神ちゃん全然見つけてくれない(笑)ボクより前歩いてるのに!!意識が他に向いてるからなのか、本当にボクが生き物に興味があるからなのか、、、これはこれで面白い発見だった。

天の岩戸が近づくと、その手前には小さな滝があった。「禊の滝」と銘打たれている。

女神ちゃんは「打たれてください」なんて冗談なのか本気なのか分からないことを言ったが、きっと本気だった。

その滝のもう少し上に天の岩戸はあった。ぽっかりと出来た岩場の空洞。とても人一人が入れそうにないほどの小さな穴。だけど、雰囲気がそれを神格化あるものに感じさせる。ここを天の岩戸と言われれば、そうだ。空洞から滔々と流れ出る湧き水。荘厳さを感じさせる森。漂う静けさ。神々しさとは、このようなどこまでもシンプルな環境にこそ宿ると感じる。

神々しい場所では写真は撮らない。これは忘れてたのではなく、撮らなかった。

参拝を経て、帰ろうと思ったら、「風穴」という看板を女神ちゃんが見つけた。ほぅ、そんな場所を拝むのも悪くないと思い「行きましょう」って話になったんだが、、、

そこまでの道のりが思いの外遠かったし、なんなら更に森の奥深く。山の奥深くだった。

山登りの最中に、女神ちゃんは裸足になりだした。

「おぉ、ここでも裸足ですか」とボクは思ったが、まぁ、彼女が裸足になってボクが裸足にならないわけもなく。裸足で風穴まで登山に挑んだ。

この登山、ボクにとっては思いの外しんどかった。ぬかるむ足元は、水たまりもたくさんあって、体温が奪われるようだったし、体が疲れるような、しんどさを感じながらの登山だった。だけど、「これは、自分の中の不要なものを捨てるための、悪しきものを取り除くための試練で、だからこそしんどさを感じるんやろ」と割り切って、ひたすら風穴を目指した。

風穴が近づいた頃、風が吹き抜ける音を聞いた。

「おぉ、スゴイ風の音」とか二人でいいながら、やっとの思いで風穴にたどり着いたんだけど、そこは無風。風の音など聞こえるはずもなかった。あの風の音はなに?

風穴の前でしばらく待ったが、風は吹かず。

ただ、ボクはここで風が吹く時には、ここにいずとも進めるときだと思っていた。ボクは常に風と共に生きている。

少しして、下山開始。

下山途中、ボクは気付いた。

「アレ?足が冷たくもないし、しんどさもない」

冷たさに慣れたと言われればそうかも知れないが、別に常に水たまりがあったわけでもないし、風穴の付近は岩だらけで、体温を奪われるほどの冷たさはなかった。

ただ、帰りはただ気持ちよく、濡れた葉の感触、ぬかるみの柔らかさ、小石の硬さ、そんな自然を足裏で感じながら、天の岩戸まで帰ることができた。

ほんと、感覚って不思議だ。

そこに意味を与えれば、そう思えるだけかも知れないけれど、帰りは意味も与えることなく、ただ自然を感じれた。

さて、この後はなかなかな出来事が起こるのだけれど、今回はここで終わりにしよう。続きはまた明日だ。

これからボクには女神ちゃんとの新たな試みがある。では、また明日♪

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