これは、ボクの夢の話だ。
女性は女神ちゃんなんだけど、夢の中では「誰」という認識はなく、ただ「この女性を助けな」という思いだけで、見つめていた。
扉には鍵がかかっていたのだろう。ドアノブを確かめることもなく、そう感じていた。
ガラスの向こうの女性は何か苦しんでいる様子だった。横たわっていたと書いたけど、実際にはうつ伏せで、立ち上がろうともがいているようだった。ガラス越しに、お互いの存在は認知しているのに、会話を交わすこともなく、ボクはただ彼女を見ていた。
ボクのいる廊下の奥には別の部屋があって、そこでは複数の男性たちが談笑している。彼らもドアの向こうにいる女性を知っている風だが、誰も気に留めていないようだった。
一人の男性は、ボクと同じように一瞬だけ覗いて、すぐに部屋に戻り談笑を始めた。
「なんやこいつら」と思ったけれど、ボクはとにかく彼女を救けなければならない。
女性のいる部屋の奥にも2つ扉があったけれど、彼女はどうやらそこから、ようやくここまでたどり着いたような感じだった。部屋に戻る様子もない。
夢だから、何がどうなったのかは分からないけれど、次の瞬間、ボクは彼女の部屋へ向かうためにか、とにかく彼女を救うために、階段を四階、五階と登っていた。
そこからどうやって彼女を助けられたのか、果たして助けられたのか、そこから先は覚えていないし、そこで目が覚めたのかも知れない。
なんとも不思議な夢にだった。
きっと、ボクはこれから女神ちゃんを救ける側になるのだろう。これまでたくさん救けてもらって、ようやくそのフェーズに来たんだと思う。
ここからは、ボクが女神ちゃんを救ける。
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