そもそも女神ちゃん以外、誰も知らない街だ。
それで良かった。
人付き合いは嫌いじゃないけれど、得意でもない。
だけど、誰とも関わらずに生きることは不可能だし、信頼関係を多く築けないと仕事はできない。
僕はたくさんの信頼関係を切ってきた。切ることでしか、自分の心を守れなかった。
だからそうして来たけれど、それも限界はある。
遅すぎるくらいだけれど、やっと動き出せるまでには心が整理できたのかも知れない。
そうして、岡崎に来てからご縁をいただいた方と今日会った。
その方との会話はとても刺激的でワクワクするような内容だったけど、どこか懐かしさを感じていた。
そして、帰り道、懐かしさを感じた理由をふと思い出した。
「あぁ、10年以上前に自分が描いてたビジョン、抱いてた想い、そことリンクしたんか」
それは、とてつもないようなビジョンかも知れない。
果てしない想いと言われるのかも知れない。
今日お会いした方が言っていたことは「村を作りたい」というものだった。
村というのは、抽象的な表現だ。
本当に村を作るわけじゃない。
村のようなコミュニティ、誰もが集まりたくなるような場所、それを実現したいということだ。
そんなことを僕も思っていたことを思い出した。
だけど、色々な現実に打ちのめされて、気付かされて、諦めて、僕はとうに忘れていた想いだった。
そして、僕は自分に目を向けて考えてみた。
今の僕は何か夢があるのだろうか?
南国でのんびりと女神ちゃんと生きながら、やがて来る時を待ちたいという想いはあるけれど、その夢は人生の潰えるその瞬間にしか叶わない。
そうではなくて、今の僕が叶えたい夢はなんだろうか?と。
そこで、虹の空ってなんだっけか?と考えた。
それは、希望への合図だ。
雨が上がり、晴れが来るその瞬間、ほんのひと時にしか見れないけれど、虹の空は、これから訪れる期待、ワクワクする心を促す合図。
僕はそれを見せたい。
あなたに虹の空を見せたいと思って、そんな名前を付けた。
だから、僕の夢とは、あなたの想いを実現させるまでのお手伝いなのだ。
僕自身に出来ること、知識や能力だけでなく、人脈や経験、アイデアなど僕のすべてを使って出来ること、それらを駆使して、あなたの想いをカタチにしたい。
そうだった。
僕がかつて描いたようなコミュニティというのも、その延長線上にあるものなのだ。
これはビジネスにおいて当たり前のことだけど、僕はいつからか、そこに対する意欲を失っていた。
今日の出会いで、僕は自分の叶えたい夢を思い出せた気がする。
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