41年とちょっと、もう人生は折返しをとうに迎えていると思うけれど、これまで出会ったたくさんの人たちの中でも、覚えている人ってのはそんなに多くなかったりする。
だからってわけでもないけど、僕は「面白そうな人」を思った人とは話したいと思っている。それは、僕では体験できないことを疑似体験したいからだと思う。
先日も、そんな面白そうな人と出会った。
彼(Uさん)は、若い頃にワーキングホリデーってやつで外国にいたらしい、そこで出会った人が今僕がお世話になっている工務店の社員さんで、縁があって僕も話す機会があった。
Uさんは、今は愛知県で古民家を改修したゲストハウスの宿主をしているけど、元々その工務店にも1年ほどいたらしい。
で、その工務店がリノベーションを手掛けた古民家でゲストハウスをしているという、それだけでもおもしろ案件だ。
さらには、奥様がスイスかデンマークだか、とにかくヨーロピアンというグローバリズムな日本人。
僕もそのゲストハウスにお世話になることになって、知り合ったんだけど、スタッフ全員が寝た後で、僕は就寝前の一服をしに外へ出たら、Uさんも一服に出てきた。
そこから話を聞き始めたんだけど、その話が案の定面白かった。
何より僕が衝撃を受けたのは、奥様との関係性を深めるための彼の考え方だった。
文化圏が異なるが故の様々が彼の中に葛藤としてあったんだと思うんだけど、彼はある時から自分の思ったことは素直に伝えることにしたという。つまり、日本人気質を捨てることにしたってことだ。
日本人は、「これは言わなくてもいいか」とか「これを言ったら関係性が…」とか起こりもしないことに気を使って、いわゆる遠慮をする人種だけど、彼はそれを捨てた。
捨てただけでなく、、、これはデリケートで、かつプライバシーの問題にも及ぶことなのでブログには書けないけれど、日本人のほとんどが「いやいや、それは無理でしょ」というような問題さえも「素直に伝える」ことにこそ真の価値があると割り切って、受け入れたらしい。そして、実行した。
すると、、、
「そんなことを素直に言える自分、そして聞いてくれる妻」に対して、もちろんその逆も合わせて「この人は自分のことを信頼し信用してくれている」と強く感じられるようになったという。
これじゃ伝わりづらいよなぁ。。。
程度を低くして伝えると(全部言ってるようなもんだけど)、欧米の文化にはスキンシップが多い。これは彼らには挨拶だけど、日本人からしたら「やめてほしい」って感じることだ。でも、奥さんが自分の知らないところでスキンシップをした場合も、ちゃんとその日あったこととして伝えてもらい、それに対して彼の気持ちを答え、また彼自身も(付き合いなどで)異性と飲む機会があれば、それを伝えるようにしている。
つまり、お互いに嘘のない生活を営むようにしたってことだ。
これはカルチャーショックだった。
同じ日本人ながら、こんな人間もいるのかと驚いた。
そして、彼の言葉は身に沁みた。
僕は相手を傷つけるかも知れないことは、なるべく言わないほうが良いと考えているからだ。
でもそれは、翻せばそれを言えば関係性が壊れるかも知れないと危惧しているとも言える。
その程度の愛情なら、付き合いならってことだ。
耳も痛いが、心も痛い。
結局、上辺だけって思われても仕方がない。
だから、彼と同じくらいに、相手をとことん信頼できる人間になりたいと思った。すぐにはなれないかも知れないが、そうありたい。
考えてみれば、たとえ僕が女神ちゃんに「男性と飲んだ」と言われても、嫌な気持ちにはなれど、嫌いにはならないだろう。嫉妬はあっても、それ以上に女神ちゃんのことが好きだし、愛している。
もちろん、そんなシチュエーションは起こってほしくないし、起こらないように僕が魅力的にもならなければいけない。
とは言え、僕の気持ちを女神ちゃんに伝えるためには、なるべく言わないではなく、ちゃんと言う、すべて伝えるってことを意識して行わないと、この気持ちはしっかりと伝わらないんだと思う。
価値観を変えるほどのことだけど、これができれば僕のこの先の人生は大きく変わるだろう。
この2〜3日の記事も結局は、ここを言いたいがためのものだったと思う。
今回は問いではないけれど、残りの人生を生き尽くすためにも、ここはいっちょ変わらなければいけない。
全部言うってのはなかなか難しいんだけど…