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部屋

これまで住んでいた部屋から荷物を全て運び出した。

今日が立ち会いの日だったから、本当は昨日までにすべきことだったみたいなんだけど、日延べをお願いして、夜の内に急いでやった。

女神ちゃんに手伝ってもらえたから、手早く済んで、助かった。

昼間も自転車で運べるものだけでもと、本とかをカバンに詰めに行って、その時に台所とかゴシゴシと汚れを落としてて、ふと思った。

あぁ、ここのキッチンでたくさんご飯作ったなぁとか、それを女神ちゃんが嬉しそうに食べてくれるのが、幸せやったなぁとか。

そう思うと、部屋の中にはたくさん思い出が詰まってるんだと気付いた。

とても有り難い。

この部屋があったから、僕は女神ちゃんとたくさんの思い出を作れたんだと。

そして、最後の荷物運びが終わってから、女神ちゃんが床を磨いてくれていた。

悲しいことも、寂しいことも、悩んだことも、嬉しいことも、楽しかったことも、愛しあったことも、岡崎に来てからのほとんどを全部あの部屋のお陰で経験できた。

そして、今はまた新しい部屋。

本当はすぐにでも女神ちゃんと一緒に住みたい、一緒に生活したいけど、今はボクの部屋がそのままここに変わっただけで、彼女が落ち着ける場所がない。

引っ越したら、そんな日々が来ると思ってたけど、そんなに甘くない。

見切り発車だったのかも知れない。

勢いだけだったのかも知れない。

でも、それは去年こっちに来たあの日と変わらない。

だから、僕にできることは、あの部屋以上にこの部屋をステキな思い出で埋め尽くすことだ。

今日は引っ越しの手伝いをしてくれたけど、女神ちゃんは僕に失望してるんじゃないかと思う。

僕から手伝ってと言わなかった。

一人でやればいいんだと思っていた。

寒いし、疲れるし、そんなことをさせるのは悪いと思っていた。

でも、僕の気の使い方は間違ってる。

勝手にそう思ってるだけだ。

だから、女神ちゃんは僕が言うこともなくとも、ついて来てくれた。

それは、僕と同じようにあの部屋を大切に感じてくれていたからだ。

そして、今の新しい部屋にだって、同じように大切に思ってくれていると思う。

なのに、なぜ僕は一人で背負ってる気になってるんだろう。

男だからとか夫だからとか、そんなことばかりで自分も大切な人も苦しめてるのに、、、

勝手に我慢して、苦しんでるってバカみたいだ。

僕は何をしてるんだろう、、、

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