商品やサービスの価値について考えてみたい。
価値を考えるときには、特徴(性能)→価値→ベネフィットという風に変換すると考えやすいので、とりあえずその通りに行う。
ちなみに、ここで言う価値はベネフィットのことを言う。
ってことで、よく「性能」を言われても、、、って商品を例に考えてみたい。
その商品とは、パソコンだ。
最近は知らないけれど、電気屋にパソコンを見に行くとパソコンには性能の表示がされていることが多い。
それを口頭で説明してくれる店員さんもいるだろう。
「CPUは最新のCore i9で、メモリは32GB搭載してて、SSD1TBで、Officeも入ってるので〜云々カンヌン」
「それで、この値段なのでオススメですよ」
と言われて、「ほんまやね」と思える人がどれだけいるだろうか?
そもそも、家電は身近ではそこそこ高い買い物だから、おいそれと決断はしない。
それなのに、理解できない言葉を並べられたら、買う気も失せるってもんだ。
大昔、電気屋で働いてて、SEも経験したことがある僕でも正直、理解できないし、今のパソコンのスペックが、その頃と比べてどれほど良いのかなんて把握できない。あまりにも進化のスピードが速すぎる。
ってことで、性能では何も伝わらない。
では、これらを価値として考えた場合は、どうなるだろうか?
用語解説になるがCPUってのは、パソコンの頭脳にあたる。すべての処理速度はここの性能で決まる。だから、高性能であればあるほど、できることは増える。
だから、CPUが高性能ってことは、動画編集もできるってのが価値になるだろう。動画編集は、パソコンへの負荷が大きいし、動画編集以外にも3D処理するような(例えば3D CADなど)操作もCPUが耐えうるものでないと、厳しくなる。最悪、動かなくなる。
ってことで、価値としては「動画編集や3D処理もできますよ」って感じだ。
だけど、あなたがそれを聞いても「へぇ。スゴいね」程度にしか思わないかも知れない。
なぜだろうか?
それは「で、自分にとってどんなメリットがあるの?」という部分が伝わっていないからだ。
そして、あなたにとってのメリット、この部分をベネフィットと呼ぶ。
では、CPUが高性能なことのベネフィットとはなんだろうか?
それは例えばこういうことだ。
店員「ノートパソコンをお探しですか?」
あなた「はい。そうなんです。今のパソコンはもう7年前くらいに買ったものなので」
店員「なるほど。7年前なら処理も遅くなって来てる頃ですね。」
あなた「そうなんですよね。最近は熱もスゴい持つので」
店員「何をされると熱を持ちますか?」
あなた「ん〜、動画編集とか、いくつもソフトを起ち上げるとですかね」
店員「動画編集は重いですからね。でしたら、このCore i9というCPUを搭載したものですと、編集作業はサクサクできる性能になりますね」
あなた「重くならないですか?」
店員「そうですね。やはり年数が経てば遅くなって行くものですが、動画編集を快適にされたいとのことであれば、この辺りのCPUがあると安心できると思いますし、ストレスも感じないと思いますよ」
さて、ここでの会話にはベネフィットがある。
太字になっている部分だ。
太字の部分は、このCPUを使うことで「あなたがどうなるか」を説明している。だから、自分事として考えることができて、「良い商品」だと感じられる。
このように、多くの商品の良さを伝える場合は、性能や価値ではなく、ベネフィットを伝えなければ伝わらない。
言い換えれば、どこまでお客さん目線で、つまりお客さまから見た場合で説明できるか?がキモってことだ。
この視点をマーケット・インという。
マーケット・インでなければ、ベネフィットは考えつかないので、そのことを思い出すためにも、時々商品を換えて価値の転換をしておこうと思う。